『異類婚姻譚』に続いての本谷有希子さんの小説二冊目。
この方は所謂「こじらせ女子」とか「残念」「イタい」と形容される「女子」を書く人なのか、と二作目にして理解。
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【小説】異類婚姻譚/本谷有希子
異類・異形との婚姻大好きなのでタイトルで手に取ったのですが、「異類婚姻」ってそういう意味か。狐や鶴、鮒女房のような寓話のテイストを持ちつつ、しっかり現代の家庭・婚姻を描いたグロテスクな一冊でした。
【小説】今宵も喫茶ドードーのキッチンで。/標野凪
おひとりさま専用カフェ、喫茶ドードーの店主「そろり」が贈る料理と言葉に、各話の主人公が少しだけ前を向いて歩き出す全五話の連作短編集です。
惹かれたのは各話のタイトル。「自己肯定力をあげるやかんコーヒー」や「心が雨の日のサンドイッチ」「自分をいたわる焼きマシュマロ」など。もちろん、各話のタイトルとなる料理がそのままの料理名で作中に登場します。もうこの料理名だけで食いしん坊な私は「どんな料理なのだろう?」「自己肯定力が底辺な私も飲んでみたいわ」と思いながら手にしました。
【小説】ただいま、お酒は出せません!/長月天音
【小説】ぜんしゅの跫/澤村伊智
比嘉姉妹シリーズの第五作目。五編の短編を纏めたシリーズ二冊目の短編集です。
本編読了後に読んだ方がより楽しめる一冊になっていますので、是非既刊シリーズを読んでから手に取って見てください。
個人的には本編よりも好きな一冊です。
【小説】ししりばの家/澤村伊智
「ぼぎわんが、来る」から続く「比嘉姉妹シリーズ」の第四作目。
今までが真琴をメインに添えている中で、初の長女・琴子の活躍が中心に描かれる本作。
彼女が何故今のような表情、無感動な人間となったのか、また幼い頃の彼女がどのような少女だったのかが見られます。
【小説】などらきの首/澤村伊智
「ぼぎわんが、来る」から続く「比嘉姉妹シリーズ」の第三作目。
短編6編からなるシリーズ初の短編集です。
短編集のため、今までの本編に比べると各話丁寧に恐怖を描かれるわけではありませんが、それでも十分にシチュエーションホラーとして楽しめます。
そして何よりも本作、野崎の学生時代や真琴と野崎の出会い。美晴と琴子といった比嘉姉妹の学生時代など本編の時間軸では語られない話が盛りだくさんなので、登場人物のファンとしては見逃せません。
【小説】ずうのめ人/澤村伊智
「ぼぎわんが、来る」の比嘉姉妹シリーズの第二作目。
前作で活躍した真琴ちゃんと野崎さんメインの話です。
オカルト出版社で起きた怪死事件と、過去に投函された一作の原稿。その原稿を読んだ者は、人形が見えるようになり、日に日に近づいてくる人形に最終的には取り殺されてしまう。
【小説】ぼぎわんが、来る/澤村伊智
V6の岡田さん主演で映画となった「来る。」の原作小説。
あらすじについてはご存じの方も多いと思いますが、ざっくりというと怪異に巻き込まれる人々と、それを払うことを生業とする(というと少し語弊がありますが)比嘉姉妹の怪異小説です。
劇場で映画を先に見てから、しばらく時間が経過してから原作小説を読みました。
一言で言うと「原作小説おっもしれー!!」
映画はアクション映の色が強く、めちゃくちゃバトルものとして楽しめました。
何より冒頭の葬儀から始まり最後の婚姻、古今東西霊能社バトルといった各種儀式の見応えも見事でした。
【小説】鎌倉うずまき案内所/青山美智子
『木曜日にはココアを』がとても良かったので、同じ作者の作品を読みたく購入しました。
私自身が横浜出身(祖父母は鎌倉)でして、本書の舞台が鎌倉ということもあり気になり手にした一冊です。『木曜日にはココアを』の続編や作者の新作も気になりましたが、私が文庫本派ということもありとりあえず既刊を。通勤中に読むので、単行本は持ち運びに不便で手が出しにくいのですよね。特に毎日PCとiPad、手帳にノート……と荷物が多いので、肩が死んでしまうのですよね。
本書は『木曜日にはココアを』よりもSFよりなお話ですが、ほっこり安心して読める一冊でした。