【映画】ジャンク・ヘッド

公開前のTwitterの評判で気になっていて、劇場公開を楽しみにしていた長編ストップモーションアニメーション作品。いざ劇場公開されると近隣の劇場での上映がなく観られず終いでしたが、気付いたらAmazonPrimeに来ていたのでいそいそと視聴しました。

■基本情報

公開日:2021年3月26日
監督 :堀貴秀
原案 :堀貴秀
配給 :GAGA

■公式あらすじ

《映画作りは独学》《たった一人で始動》《制作期間7年》《本職は内装業》
環境破壊が止まらず、もはや地上は住めないほど汚染された。人類は地下開発を目指し、その労働力として人工生命体マリガンを創造する。ところが、自我に目覚めたマリガンが人類に反乱、地下を乗っ取ってしまう。
それから1600年──遺伝子操作により永遠と言える命を得た人類は、その代償として生殖能力を失った。そんな人類に新種のウイルスが襲いかかり、人口の30%が失われる。絶滅の危機に瀕した人類は、独自に進化していたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に、生徒が激減したダンス講師の“主人公”が名乗りを上げる。地下へと潜入し、〈死〉と隣り合わせになることで命を実感した主人公は、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。今、広大な地下世界の迷宮で、クセ者ぞろいのマリガンとの奇想天外な冒険が始まる!

■感想

うーん、前評判が良かったので期待値が上がりすぎていたとは思いますが、個人的には映画館まで観に行かなくて良かったかもしれません……。
感想をブログに上げるか迷ったのですが、ここまで自分に合わない作品も珍しいので記念に上げます。私と同じような前情報で観る方もいるかもしれないので、参考になればと思います。私の屍を超えていってください。

ストップモーションアニメーションとしては良作

監督一人でほぼ全てを作成したという点もあり、映像技術と一貫性はすごいと思います。監督独自の世界観や映像美は見物です。
今まで映像を学んだことのなかった監督が、初めて・長い時間をかけて作成したその根気・情熱・。パワーの熱量がすごいです。

ただ、その映像も観る人に受け入れられるかは人によるかと思います。化物や血飛沫など終始グロいシーンばかりのため、苦手な人は避けた方が良いと思います。

ギャグが合えば面白いかも

暗い画面構成やグロさが際立つキャラクターから、シリアス系作品と思った方もいるかと思いますが、ギャグ映画です。
もう一度言います。ギャグ映画です。
かつ、下ネタ系。ステレオタイプな昭和のおじさん感覚のネタ満載です。
そのため、上記を聞いて「あっ」と思われた方は視聴を避けた方が良いかもしれません。
ギャグ作品は合う人には合うけれど、合わない人には本当に合わないので……。かつ、私はギャグだとは思わず見始めたのでそのギャップで遠い目をしてしまいました。

ストーリーは皆無

公式のあらすじからも、主人公が地下調査を通じて地下世界の探究やマリガンとは何か。地上人とマリガンの違いは何か。などの探求がメインストーリーがあると思うじゃないですか。上映時間100分の映画ですし。
「目的を遂行するために地底に来た主人公」なので、ゴールがあると思うじゃないですが。
……何もない。
びっくりするほど、開始時から終了まで状況が進みません。
特にオチもなく、ヤマもなく基本的には「主人公が記憶喪失になる→なんやかんやあって思い出す→トラブルで記憶喪失になる→色々あって思い出す→マリガンに襲われ記憶喪失になる→……」の繰り返しです。
流石に三回以上同じ流れで、後半は眠くなってきました。100分映画なのに。

アクションシーンとしてのヤマ場はあるのですが、これもどこかで見たことのある姿、構図も他作品の二番煎じ。ストップモーションで構築していることはすごいのですが、うーん。
何より作中で天丼しすぎて、お腹いっぱいになってしまいました。

次回作には是非、脚本家を

本作は三部作の第一作目と言うことですので、第二部または他作品を作成する際は是非、脚本家・シナリオライターをチームに加えてもらえればと思います。
ストップモーションアニメとしての技術や、キャラクター作成と言う面で魅せることができる監督だと思います。おそらく課題はストーリー構成や、一人だからこそ表現に関して正しい指摘をしてくれる人がいないことかと……。
そのため、監督は独自の技術を遺憾なく発揮して頂いて、「映画」として成り立たせる部分は他の人に頼んだ方が良いのではないかな?と素人ながらに思いました。

総括的な何か

うーん。虚無映画や虚無舞台はいくつか経験していますが、本作はそれとも異なる気もします。なんというか無?やっぱり虚無映画?
エログロナンセンスは大好物なのですが、私の指向性とは異なるものですね。ストップモーションの技術・熱量がすごいのはわかるのですが、良くも悪くも私に届いたのはそれだけなんですよね……。
結論。好きな人は好きな映画だと思いますが、NotForMeでした!

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投稿者:

霜月 六花

おんな2人(人間一人と猫一匹)で極楽な生活を満喫中。 趣味の読書や映画の記録をゆるゆると綴っていきます。

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