【映画】金の国水の国

尊い……。それに尽きる。
語彙力ないのが悔やまれるけど本当に尊いからみんな見て……。
おっとり王女様と飄々とした切れ者学者のカップル最っ高に可愛いし尊い。

■基本情報

公開日:2023/01/27
原作 :岩本ナオ
監督 :渡邉こと乃
脚本 :坪田文
制作 :マッドハウス
配給 :ワーナーブラザーズ

■公式あらすじ

100年断絶していている2つの国。
”金の国”の誰からも相手にされないおっとり王女サーラと”水の国”の家族思いの貧しい建築家ナランバヤル。
敵国同士の身でありながら、国の思惑に巻き込まれ”偽りの夫婦”を演じることに。
深刻な水不足によるサーラの未来を案じたナランバヤルは、戦争寸前の2つの国に国交を開かせようと決意する。
お互いの想いを胸に秘めながら、真実を言い出せない不器用な2人の<やさしい嘘>派国の未来を変えるのか――。

■感想

「水」以外は何でも揃う技術や商業に優れた「金の国」。けれど砂漠地帯の「金の国」の水は、持って後50年が限界。
方や50年前の戦争の影響が色濃く残り、かつ商業ルートを水の国に塞がれ貧しさに喘ぐ「水の国」。ただし無限に水の湧く霊峰を持ち、水資源は豊富。
双方の王が、数百年前の約定から互いの国に和平の証のために結婚相手を送り合うことから始まります。
迎えた嫁と婿が子犬と子猫なのだから、結婚相手の王女サーラと学者ナランバヤルはさぁ大変。これを両国の王に伝えれば、再び戦争の火蓋が切って落とされるのは確実です。
そして互いに国境付近に済んでいた2人がひょんなことから出会い、「嘘の夫婦」になっていきます。

男ナランバヤル、早い段階で姫様に惚れてしまって、水不足の金の国の現状を見て、「姫様には困ってる姿は似合わない!姫様が一生困らないようにする!姫様が俺のことをどう思ってても関係ない」的な感じでズンズンと進んでいく様が格好良い。ナランバヤル自身はイケメンと言うよりも三枚目なんですけれどね。
飄々として掴み所の無い、そのくせとても頭の切れる学者で周囲の人間の機微にも聡い。何より学者・地学研究者としてとても有能。
双方の国に足りないもの、そして戦争で奪い合うのではなく、互いに協力すれば平和に補い合えることに気づける人。

対するお嬢様も、金の国の王女様といえども妾腹で93番目の王女様。国の端っこに追いやられ、ばあやと二人きりで暮らしている状況。姉妹の嘲笑にも気付かない、気付いても本気で他人に対し怒ったこともないようなおっとりさんです。
そのくせ、ナランバヤルを馬鹿にされて生まれて初めて怒ったり、初めての恋に気付いたと同時に相手に奥さんがいたことを知って身を引こうとする健気さがいじらしくかわいらしいです。

こう、何か特別なことがあって急激に惹かれていく・一目惚れなどではなく、一緒にいる中でお互いの良い所を見て自然と好きになって歩み寄って行くカップルで、純粋な2人が微笑ましくもかわいらしい。
見守りたくなります。

夜の水の国で、橋の上で2人で話すシーンが特に胸にぐーっと来ました。一番好きなシーンかも。
そして、そこでの会話を受けてのラストのナランバヤルの決断。
「いつでも、難しい方の道を選んでください」
尊い……。

そしてその2人を支えるサブキャラ達も素敵でした。
特に第一王女レオポルディーネとその愛人兼金の国の左大臣サラディーン。
当初3人の姉はシンデレラの三姉妹&愛人も2人の恋路を邪魔する悪役だと思ってました。ごめんよ。みんないい人達だったわ。
国を誰よりも愛し、民の行く末を憂う王女と、国をなくし流れてきた、生きるために愛を売る元遊牧民の俳優カップル。
ナランバヤルからの勧誘を受けて、持ってる権力を最大限活用して王女様のために国交回復に努めるの、最高だろ。

劇場版一本に纏められていながらも、しっかりと登場人物のバックボーンを感じられる作品になっていてとても良かったです。
ここで書いた3人意外にも、めちゃくちゃ良いキャラばかりなので是非見て欲しい。

全体的に「感動!」「涙必須!」とか大きく環状を揺さぶられる作品ではないけれど、じんわり心が温まる作品でした。

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投稿者:

霜月 六花

おんな2人(人間一人と猫一匹)で極楽な生活を満喫中。 趣味の読書や映画の記録をゆるゆると綴っていきます。

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