「入社1年目」なんてものはとっくの昔に過ぎ去ってしまいましたが、私は未だに数字は大の苦手。
数字を扱うシステム作っているくせにおかしな話です。
そして久々に若手の育成を任されそうになってしまったので、ビジネス数字の基礎知識くらいは自分も知っておかなければいけないなぁと、まずは初心者向けの書籍に手を出してみました。
タイトル通り、入社1~3年目で仕事のやり方や報告の仕方に悩んでいる人におすすめです。
特に、コロナ禍で在宅中心になった関係で、オフィスにいれば近くの先輩から「さっきの報告はこうした方が良いよ」とアドバイスをもらったり、周りの報告を聞いて自然と身につけられていたものが、今はなかなか難しいと思うのですよね。そのあたりを自身で補うための取っかかりに、本書は向いてそうです。
■公式紹介文
社会人にとって欠かせない「数字の基本」がわかる本です!
・進捗状況を報告したら、「もっと具体的に説明して」と言われたことはありませんか?
・資料を作成したら、「このグラフは何を伝えたいの?」と言われたことはありませんか?
ビジネスシーンでは、さまざまな場面で数字を扱うことが求められます。
しかし、その使い方を細かく丁寧に教わる機会はほとんどないのが実情。
そこで本書では、業種や職種に関係なく、社会人なら知っておきたい、ビジネスにおける「数字の使い方」を、6つのテーマに分けて教えます。
1.毎日の仕事で必要な数字の基本
2.論理的に考える方法
3.報告の仕方・意見の伝え方
4.データの読み方・活かし方
5.資料づくりのコツ
6.必ず伝わるプレゼンテーション
論理的な優先順位の決め方から、一瞬で間違いなく伝わる報告の仕方、自信を持って発言できる根拠のつくり方、複雑なデータを一目瞭然のグラフに変える方法まで、ビジネスで役立つテクニックが満載です。
これらを日々の仕事に取り入れれば、「ちゃんと考えた?」と言われることがなくなり、論理的で誰にでも納得してもらえる仕事の進め方ができるようになります。
新入社員の方はもちろん、転職・異動したばかりの方、後輩・部下を指導する方、もう一度ビジネスシーンでの数字の使い方を学び直したいベテランの方まで、多くの方に役立つ一冊です。
■書籍情報
出版社:日本実業出版社
著者:深沢真太郎
定価:1,400円(税抜)
発売日:2018年4月1日
判型:四六判
ページ数:256
ISBN:978-4-534-05574-3
■感想
タイトルの通り1年目社員向けなのでさらっと読めてわかりやすいです。
各所にノウハウや上司目線で「こういうことを期待されてるんですよ」「こうやって報告する人一目置かれるよ」など、アドバイス的に数字と資料作成方法が出てくるので、上司への報・連・相に悩んでいる人にも良いと思います。
いつの間にか新人ではなくなってしまった私としては、無意識にできていたものと、初めて知った観点と、知っているけれどなかなか現実問題難しいですよね。が割合良く書かれていました(笑)
特に第3章のSECTION4の以下の部分。
実際のところ、入社1年目であれば「仕事を捨てる」というのはまだ難しいことかもしれませんが、これからどんどん仕事を任され、忙しくなってきたときに必要になる視点です。
私たちはつい「頑張る」「なんとかする」といった耳当たりのよい表現を好みます。しかし、無理なものは無理です。仕事を取捨選択したり、時間短縮のための創意工夫をする方向に「頑張る」をシフトするべきでしょう。
わかっちゃいるけれどそれが何年経っても難しいのですよ。本当に若手のうちからギブアップの仕方と取捨選択は覚えた方が良いです。
私は完全に根性と残業で投げられた仕事を全部拾っているタイプ、かつ周囲に頼るの苦手なタイプなので耳が痛いです。このセクションは「進捗報告するための数字をつくる」ってことで、自分の仕事を数字に分解して進捗管理をしましょうね。報告する際もその方が上司に伝わるしヘルプも求めやすいよ。ってことを教える章なのですが、まぁ現実問題数値化できない仕事ばっかりですよね。やったことある仕事ならまだしも、大体毎日新規ものの未経験作業ですし。
と思いつつ、新人には早いうちにこの考え方を理解して欲しいのも事実。
進捗報告とか「期限までに頑張ります!」「大丈夫です!」じゃあ報告受ける側はわからないし、こういうタイプって期限最終日に「終わりませんでした」って報告を普通に持ってくるのでね。
あとは私は営業職ではないので「プレゼン」は人事系の方向だったり、部内での稟議位なのですが、以下の文も言われてみれば確かに。
「100%」よりも「75%」
つまり、人間は100%理解などしなくても、だいたいの納得感が得られれば契約という行為ができる生き物です。ならば、あなたもビジネスにおけるプレゼンではその「だいたいの納得感」を目指してやってみてはいかがでしょうか。
「だいたい」では曖昧なので数値化すると、完璧に理解した状態を100%、半信半疑の状態を50%とすれば、「だいたい」はその中間の75%でしょうか
100%の理解ではなく、75%の納得感をゴールにしよう。
まあ、これも報告・プレゼン対象の上長やお客さんの性質にもよると思いますが、それは時と場合によるので、100%目指して無駄に緊張して失敗したり、仕事が忙しくなって他に手が回らなくなるよりは「承認を得る」「契約を取る」の合格点を得られる75%で十分ではありますよね。
全体的に、こんな感じで考え方と、じゃあその根拠を提供する・納得感のある報告をするために必要となる情報(数字)やその見せ方(話への数字の盛り込み方やグラフ・表の効果的な活用方法)を解説してくれている書籍です。
巻末には簡単な分析やグラフ・表作成に使えるエクセルの関数や機能紹介のページもあるので、「書籍で教えられたことをやってみよう!」実際に手を動かして見るときに、いちいちググったりする必要も無いのがありがたい。
そのため、冒頭で記載したとおり入社1年目~3年目くらいで、仕事のやり方や報告の仕方に悩んでいる人は一度読んでみると良いのではないでしょうか?
今まではオフィスにいれば近くの先輩から「さっきの報告はこうした方が良いよ」とアドバイスをもらったり、周りの報告を聞いて自然と身につけられていたものが、今はコロナ禍で在宅中心になった関係で、なかなか難しいと思うのですよね。そのあたりを自身で補うための取っかかりに、本書は向いていると思います。