【舞台】玉蜻 新説・八犬伝

DisGOONieもう12作目なのですね。
相変わらず事前知識なしで「八犬伝」ということしか知らずに劇場入りしたのですが、今回も西田節バチバチで好き好きの好きでした。殺陣も台詞も音楽も大好き過ぎる。

今年の目標に「八犬伝ちゃんと読む」が追加されました。
私の八犬伝の知識は小学生か中学生の時に学校の図書館で読んだ児童向けのやつです。

■公演情報

公演名:玉蜻 新説・八犬伝
公演期間 :2023/02/10~2023/02/19
観劇日  :2023/02/11 マチネ
演出・脚本:西田大輔
出演   :崎山つばさ、北村諒
劇場   :六本木EXシアター

■公式あらすじ

――目の前には、一振りの「刀」がある。
雨の中、その刀の周りだけは妖気を纏うように水をはじいていく。
妖刀―――「村雨丸」である。

小さな子犬が、ずぶ濡れのままその刀に近づき、願いをかけるように寄り添う。
――この国には、伝説がある。
化け犬「八房」に娶られた安房国の伏姫が八つの珠と共に産み落とした八人の剣士。
珠を宿した八人は、導かれるように出会い、安房国に安寧をもたらす。

子犬の願いは―ひとつ。
自らの親を殺した金碗大輔と八人の剣士に再び出会い――全てを取り返すのだ。

この物語は――誰も知らない影の物語である。

■感想

まず最初に一言。
「引きでみたい!」
今回謎にチケット運が良かったのか悪かったのか、まさかの最前列。
嬉しいし普段は見えない役者さんの表情まで裸眼でバッチリ見えたのですが、西田さんの舞台は真ん中辺りの全体がよく見える辺りでみたい。
欲を言うのであれば、私は背が低いので通路前……。
今回、前過ぎて全体が見えなかったのがとても残念でした。本気でリピチケ買い足そうと思ったのですが、今回はちょっと予定が付かず断念。大阪楽日の配信とDVDで我慢します……。
めちゃくちゃ良かったので皆観に行って欲しい。これは劇場で見るべき。

あと、途中休憩入って最初の一言が「物販行こうぜ」でした。
おかしいなあ、今回はパンフだけのつもりが気付いたらブロマイドが大量に鞄に入ってた。友達は板が増えてた。

きたむーの毛野が最の高だったのですが、いとようじの親兵衛も最の高で。
いとようじ「まほろばかなた」も良かったので今後もきたむーと同じく定期的に西田舞台出てくれないかなぁ。

■全体

二日目マチネ、休憩込み、早送りを駆使して3時間50分でした。
足りない。これ全然足りてないでしょ!もっとこの船に乗っていたい。
えー、FF10歌舞伎みたいな感じでお弁当付きで一日に公演しません?
腰と首が死ぬけど。

いつものことながらオープニングがバチくそ格好良い。オープニング無限摂取したいと思ったらYouTubeで冒頭20分配信開始したので是非見てください。
これ、二幕ラストがオープニングにあるんですよね。もしや、と思っていたので配信見てぼろ泣きしました。劇場でも辛かったけれど。全景配信ありがたい。

■八犬士の持つ珠

本作で出てくる珠は、一度だけ持っている人の命を救うもの。
信乃:未使用
荘介:未使用
毛野:生まれる前、母親のお腹の中で
道節:浜路が使用(自分の命よりも浜路が大切)
でも毒で倒れたときに本人が使っているかも?
現八:信乃と川に落ちる前?
大角:自殺したとき
小文吾:未使用?
親兵衛:父親に殺されたとき

■ラストのはなし

おそらく、いつもの通りラストの解釈は観客に任せられるんですよね。
皆死んでしまった後の浄土での話か、信乃の夢落ちか、奇跡が起きて皆が生き返る大団円か。
ただ、信乃が持っている珠ははろか自身なのですよ。
そしてはろかは、最後に「信乃の珠でありたい」と「願い」を口にして、その願いが叶い、信乃の珠となった。
一幕で、大輔は「夢」は「想い」だと言い、現八は「夢」は「願い」だという。
はろかが「夢を叶える」存在なら、そのはろかの珠を持っている信乃が見る夢であれば、きっと叶うんじゃあないかな。
ラストシーン、ゆらゆらと、座ったまま眠る信乃。めちゃくしゃ穏やかな微笑みを浮かべているんですよ。
信乃の夢が叶った、穏やかな現世の世界だと思いたいなぁ。
それに、八犬伝って大団円なので。新説・八犬伝も大団円で終わって欲しい。

■はろか

動きが本当に犬にしか見えなくてすごかったです。
四本足で歩くシーン、前足の使い方。手の先まで。そして何よりもまっすぐな瞳。
復讐に染まった瞳、表情から、最後の操られた虚ろな瞳から「私は、信乃の珠でありたい」といった時の柔らかな瞳。
一連の変化に情緒がめちゃくちゃにされてしまった。
一気に涙腺刺激されて崩壊してしまう。その前からぐちゃぐちゃでしたが!
最初は人としての感情とか心というものがわからなかったはろかが、信乃と荘助に対する言動をみて人を知って、人になったんだよ。

■金碗大輔&伏姫(玉梓)

私、良子さんと萩さん大好き人間。
最高で好きしか言えないやつっ。さいっこうじゃん。
伏姫が大好きで思い続け「会いたい」と思う大輔と、想いを受け止めつつも玉梓として悪事を働いているので会えるはずがないと思ってる伏姫。の理解で合っているかなぁ。めちゃくちゃ純愛。
超絶悲恋だけれども最後はハッピーエンドで良かった。浄土で二人で睦まじく過ごして欲しい。
所々、信乃×浜路の対になっているので、この二人が添い遂げられたなら、やっぱり信乃×浜路もハッピーエンドなんだよ!
良子さんの二重人格的なお芝居好きなので、玉梓=伏姫の二面性が癖に刺さりました。
子ども達に向かって話す時、すっごく優しい伏姫がいたと思うと途端に玉梓に豹変する所とか、スキー!!しか考えられなくなるやつ。温度差がすっごい。
特に玉梓の月唄と親兵衛に対する態度の差。「出来損ない」と叱責し冷たく当たる月唄と、優しく可愛がられる親兵衛の対比。まさに毒親仕草なんですよね。
ただ、伏姫にとっては皆可愛い子ども達で愛しい子なのですよ。伏姫の優しさからの玉梓の冷たさが本当に……。
オープニングではろかにオフマイクで話しかけるときの表情がとても優しいので見て欲しい。

■大角

大角というか鯛ちゃんへの感想になっちゃうんですけど、アクションかっこよすぎてもうっもうっ!
あの舞台上を文字通り縦横無尽に動き回る殺陣。跳んで跳ねて切りつける感じ好きすぎて。
あと穴あき衣装がセクシーでチラチラ見える腹筋バッキバキさと相俟って登場時にフーっ!てなってました。全然そんなシーンじゃないのに。
親に虐待される少し気弱な月唄と、大角としての自分を取り戻してからの鯛ちゃんのギャップもね。
二幕で静かに一人本読んでいるシーンとか、「鯛ちゃんそういうとこ!ずるい!」ってなります。
お笑いシーンだと、現八との早送りシーンと毛野と小文吾かな?の横でずっとスクワットしてるシーン。
私が見る鯛ちゃん、割とステージ上でスクワットしてる気がする。

■親兵衛

母のためにがんばっちゃう子、大好きなんですよ。
あと「あなた」って呼ぶのずるくないですか?あなたの二人称「あなた」なの??
キャラ単体で見ると圧倒的に光属性で何でもできて最強で無邪気な子どもみたいな子なのに、蓋を開けると母の望みを叶えるために(それが悪だと理解し、母の救いにならないこともわかりながら)尽くしている姿が刺さらない人なんているのか?いやいないだろう。
やっぱり最後はまさに「希望」何ですよね。こんなの皆好きになっちゃうじゃん。
いとようじ、めちゃくちゃ良い役もらったねぇ。よかったねぇ。このまま西田舞台の常連になってくれー。
ラスト、伏姫と大輔が一緒に天に昇るシーン、「そうだよね。君が一番伏姫の幸せを願っていたものね」と印象的でした。
あとずるいと思ったのはエンディングで皆が身体にある痣を見せるシーン、君の痣そこなのね?客席にむけてお腹捲り上げて腹チラしながらめっちゃ笑顔で舌ペロしてたの、ファンが浴びたら死んじゃうのでは……?むしろファン製造機では?

■現八

めっちゃくちゃクズ男。ただし頭が良いので全部わかってやってるし、語る言葉もしっかり選んでいるタイプ。
信乃を中心にあつまっているけれど、ともすれば離れてしまう部分を結びつけているのが現八なのかな。
板の上の賢志さんが好きなので100点。

■道節

王道八犬士のイメージをそのまま行った感じ。真面目で優しく、人としてできた人。
一番主人公っぽい感じでした。
浜路がちゃんと生き残り、ちゃんと報われて良かった。これは信乃にも言えるのですが、浜路姫じゃなくてちゃんと妹であり幼馴染みの浜路と幸せになって欲しいんですよ。

■小文吾

開演前の陰ナレで「たんかいや」を連呼するのでもう「旦開野」を「たんかいや」にしか読めなくなった。
プロポーズシーンは原作にもあるので楽しみにしてました。
洋二郎さんときたむーのわちゃわちゃお笑いシーン好きなので、今回もたくさん笑わせてもらいました。今回のお笑いパートの大半が毛野と小文吾でしたしね。
あと、小文吾は八犬士の中で一番「生きる意味」を考えている人だった。
皆が「生まれた意味」を探す中、過去よりも前を見ている人。今までの経緯よりも、これからをどう生きるのか。どうしたいのかを毛野に問いかけるシーンが格好良かったなぁ。
圧倒的光。

■毛野

うつくしい……。
登場シーンの感想、めっちゃ「美」。めっちゃ妖艶。綺麗。気高さと美しさを併せ持った天女。
舞のシーン、本当に指の先まで女性なんですよ。
けどバッチバチに男なんですよね~。しってる~。最高~!
羽織を脱いであらわになる二の腕の筋肉すっごいの。知ってるけど最高。

「生きていたことなど無い!」と言い放った毛野が、最後の戦いでは「今、一番生きたいって思ってる」と言えるようになったことに泣きそうになりました。
母親によって、復讐のためだけに産み落とされた毛野にとって、生きてる意味なんて無かったんですよね。
それが他の八犬士達に会って生まれた意味や生きる意味を考えられるようになっていった。
小文吾に「旦開野とけっこんするんだろ?」といった後に「まぁもう二度と現れないけどな!」っていうのも、もう過去の復讐には決別して前向いて生きてく気になってるんですよ。「旦開野」はあくまでも復讐の道具だから。
あー、しんどい。すき。
最終戦、八犬伝の軍師・毛野の感じも出てて良かった。
要所要所で出てくる、母親役のダンサーさんとリンクした舞や動きも良かった。が、席の関係で両方一度に視界に収められなかったので、配信&DVDでしっかりみたい。
ので、DVDに全景映像入れて欲しい……。

■網乾

浜路とのシーン、さいっこうにキモくて良かったです。(褒めてる)
浜路への執着の仕方とか粘着質な感じと手に入らないなら存在ごと切り捨てる感じ、気持ちが悪くて大好きです。

■さいごに

はろかが信乃に言う「私がお前の旅になる」
伏姫が信乃に言う「旅をしないと、出会えない」
どちらもそのとおりで、私たちも劇場に行かないとこの物語に出会うことができない。
できるだけ、長くDisDOONieの旅が続くように、私も乗船できる時には乗船しなければ。
そして他の舞台も、気になるものはできるだけちゃんと見ないとね。

<a href=”https://www.amazon.co.jp/%E5%85%AB%E7%8A%AC%E4%BC%9D%E3%80%90%E4%B8%8A%E4%B8%8B%E5%90%88%E6%9C%AC%E7%89%88%E3%80%91-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B1%B1%E7%94%B0-%E9%A2%A8%E5%A4%AA%E9%83%8E-ebook/dp/B0BLRWFCLM?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=22MWKQFI37YJR&keywords=%E5%85%AB%E7%8A%AC%E4%BC%9D&qid=1676783899&s=digital-text&sprefix=%E5%85%AB%E7%8A%AC%E4%BC%9D%2Cdigital-text%2C186&sr=1-3&linkCode=li2&tag=shimotsuki0b-22&linkId=711f2c6d327170dee246ba4da25bf7b0&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_il” target=”_blank”><img border=”0″ src=”//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=B0BLRWFCLM&Format=_SL160_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=shimotsuki0b-22&language=ja_JP” ></a><img src=”https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=shimotsuki0b-22&language=ja_JP&l=li2&o=9&a=B0BLRWFCLM” width=”1″ height=”1″ border=”0″ alt=”” style=”border:none !important; margin:0px !important;” />

<a href=”https://blogmura.com/ranking/in?p_cid=11153938″ target=”_blank” rel=”noopener”><img src=”https://b.blogmura.com/banner-blogmura-landscape.svg” alt=”ブログランキング・にほんブログ村へ” width=”120″ height=”33″ border=”0″ /></a>

投稿者:

霜月 六花

おんな2人(人間一人と猫一匹)で極楽な生活を満喫中。 趣味の読書や映画の記録をゆるゆると綴っていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です