V6の岡田さん主演で映画となった「来る。」の原作小説。
あらすじについてはご存じの方も多いと思いますが、ざっくりというと怪異に巻き込まれる人々と、それを払うことを生業とする(というと少し語弊がありますが)比嘉姉妹の怪異小説です。
劇場で映画を先に見てから、しばらく時間が経過してから原作小説を読みました。
一言で言うと「原作小説おっもしれー!!」
映画はアクション映の色が強く、めちゃくちゃバトルものとして楽しめました。
何より冒頭の葬儀から始まり最後の婚姻、古今東西霊能社バトルといった各種儀式の見応えも見事でした。
■公式紹介文
幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。
それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の怪我を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。
その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか?
愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。
真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。
“あれ”からは決して逃れられない――。綾辻行人・貴志祐介・宮部みゆきら絶賛の第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作!
■書籍情報
出版社: 角川ホラー文庫
著者 澤村伊智
定価: 748円(本体680円+税)
発売日:2018年02月24日
判型:文庫判
ページ数:384
ISBN:9784041064290
■感想
原作小説は大まかな流れは同じですが、後半のラスボス戦は大きく変わっていますね。原作はジャパニーズホラーの王道しての面白さ。映画版のエンタメ向けの脚色も見事だと思います。
一つ一つ足場を固めていくシナリオ。また心証に訴える日本人的な怖さです。大好きです。ぜひ、映画しか見ていない人には原作小説も読んでほしい。若干好き嫌いがありそうですが、日本ホラーの良さがぎゅぎゅっとしています。
ラストがですね。お決まりの展開ではあるのですが、ぞくぞくっとします。
澤村さん、本作が処女作ということですが、人間の欲や裏側など書くのが上手い作家さんですね。
好みだなぁと思ったら、日本ホラー大賞受賞作品ということで納得です。高校時代、恒川さんの『夜市』にドハマりした私には好きな系統の話な訳です。
比嘉姉妹シリーズ、続刊があるようなので読んでみます。